人材育成やチームの目標達成、部下とのコミュニケーション…リーダーにはさまざまな責務がのしかかる。悩みを抱えていないリーダーなどいないだろう。
そこで参考になるのが、リーダーシップの世界的権威で、全世界でシリーズ累計1800万部を記録するベストセラー著者、ジョン・C・マクスウェル氏『「人の上に立つ」ために本当に大切なこと』だ。本書は、「世界一のメンター」として知られるマクスウェル氏が、優れたリーダーになるための「21の原則」をあますことなく公開している。本稿では、本書より一部を抜粋・編集し、部下から嫌われる「扱いづらい上司」の特徴を明かす。(構成/根本隼)

部下から一発で嫌われる「扱いづらい上司」ワースト5Photo:Adobe Stock

カリスマ性は努力次第で高められる

 多くの人は、カリスマ性を神秘的で、ほとんど定義できない資質だと考えている。持っている人は生まれつき持っており、持っていない人は生涯持つことがない、そのような何かだと考えている。

 しかし、それは正しくない。カリスマ性とは、簡単に言うと、人をあなたに引きつける能力のことである。それは他の人格的資質と同じように、開発することができる

部下から嫌われる「扱いづらい上司の特徴」ワースト5

 あなたは自分のカリスマ性をどう評価しているか。人びとはあなたに自然に引きつけられているか。あなたは好かれているか。もしそうでないなら、あなたはカリスマを発揮するうえで次のような障害を抱えているのかもしれない。

1)プライド――自分が他人よりすぐれていると思っているリーダーに従おうとする人はいない。
2)不安――あなたが自分に不安を抱いているなら、人びともあなたに不安を抱くようになる。
3)不機嫌――あなたに何を期待していいかわからない場合、人はあなたに何も期待しなくなる。
4)完全主義――人びとは、よりすぐれたものを目指す気持ちは尊重するが、非現実的な期待にはそっぽを向く。
5)冷笑癖――物事の肯定的な面ではなく否定的な面ばかりを見る人など、誰も相手にしない

 もし以上の障害を捨て去ることができれば、あなたはカリスマ性を身につけられる。

カリスマ性を習得する3つの行動

 本物のカリスマ性を獲得するために、今日からできることを挙げていこう。

●焦点を変える

 今日から数日間、自分が人びととどう関わっているかを観察してみよう。人と話すとき、自分が話すことのうちどの程度まで自分のことに集中しているかを見極めよう。自分のことより、相手のことに焦点を当てるよう、会話のバランスを考えてみよう。

●第一印象を良くする

 初対面の人に会うとき、いい印象を与えるよう最善を尽くそう。相手の名前を覚える。相手の興味や関心に焦点を合わせる。肯定的に接する。

 一番大切なのは、相手を10点満点の人間とみなして接することだ。もし今日それができたなら、毎日できる。そうすることで、あなたのカリスマ性には確実に磨きがかかるだろう。

●自分を分かち合う

 あなたが持っている有益なものを人と分かち合うことを長期的な目標にしよう。今年、あなたと出会う5人が意義深い経験をするのを手伝おう。それは家族でもいいし、部下や友人であってもいい。彼らが生活と仕事で成長するのを助けるための材料を提供し、あなたの人生の旅を分かち合おう。

(本稿は、『「人の上に立つ」ために本当に大切なこと』より一部を抜粋・編集したものです)