TOHOシネマズPhoto:Diamond

コロナ禍から企業が復活するのは一体、いつになるのだろうか。上場100社超、30業界を上回る月次業績データをつぶさに見ると、企業の再起力において明暗がはっきりと分かれている。前年同期と比べた月次業績データの推移を基に、「嵐」から「快晴」まで6つの天気図で各社がいま置かれた状況を明らかにする連載「コロナで明暗!【月次版】業界天気図」。今回は、4〜6月度のレジャー編だ。

「トップガン」記録的ヒットでTOHOシネマズ大増収!
それでも復活は程遠い事情

レジャーの主要2社が発表した4〜6月度の月次業績データは、以下の結果となった。

◯TOHO シネマズ(東宝)の映画興行収入
 4月度:前年同月比126.9%(26.9%増)
 5月度:同338.2%(238.2%増)
 6月度:同148.0%(48.0%増)

◯ラウンドワンの既存店売上
 対2019年比のみの業績開示のため、今回から対象外とした。

◯東京スカイツリー(東武鉄道)の天望デッキ来場者数
 4月度:前年同月比243.1%(143.1%増)
 5月度:【数値なし】
 6月度:同661.0%(561.0%増)

 レジャー業界は、コロナ禍で大打撃を受けた業界の一つだ。しかし、TOHOシネマズも東京スカイツリーも上の数字を見ると大復活を遂げたように映る。特に、東京スカイツリーの展望デッキ来場者数は22年6月度が前年同月比で6.6倍と桁違いの数字をたたき出している。

 TOHOシネマズも、驚異的な興行収入を記録している「トップガン マーヴェリック」というヒット映画作品に恵まれて業績に追い風が吹いた。

 しかし、2社の状況を詳しく見ていくと、業績が「爆増ラッシュ」でも、手放しで喜べる状況ではないことが分かる。次ページで詳しく解説しよう。