ヤマト運輸Photo:Diamond

コロナ禍から企業が復活するのは一体、いつになるのだろうか。上場100社超、30業界を上回る月次業績データをつぶさに見ると、企業の再起力において明暗がはっきりと分かれている。前年同期と比べた月次業績データの推移を基に、「嵐」から「快晴」まで6つの天気図で各社がいま置かれた状況を明らかにする連載「コロナで明暗!【月次版】業界天気図」。今回は、4〜6月度の陸運・物流編だ。

ヤマト運輸が宅配便個数「26カ月連続増」の快挙!
佐川急便との差は?

陸運・物流の主要4社が発表した4〜6月度の月次業績データは、以下の結果となった。

◯ヤマト運輸(ヤマトホールディングス〈HD〉)の宅配便取り扱い実績
 4月度:前年同月比103.5%(3.5%増)
 5月度:同102.8%(2.8%増)
 6月度:同101.6%(1.6%増)

◯日本通運の国内売上高
 4月度:前年同月比107.7%(7.7%増)
 5月度:同115.7%(15.7%増)
 6月度:同113.8%(13.8%増)

◯佐川急便(SGホールディングス〈HD〉)のデリバリー事業取扱個数
 4月度:前年同月比99.1%(0.9%減)
 5月度:同103.3%(3.3%増)
 6月度:同101.8%(1.8%増)

◯サカイ引越センターの売上高
 4月度:前年同月比106.6%(6.6%増)
 5月度:同105.5%(5.5%増)
 6月度:同106.5%(6.5%増)

 6月度において、今回取り上げる4社は全て前年同月を上回っている。長引く新型コロナウイルス禍とEC(電子商取引)市場の拡大で、もともと伸びていた宅配需要がさらに加速した。「いまや物流はライフラインの一つだから、好調なのは当たり前だ」と思うかもしれない。

 しかし、業績を時系列で確認していくと、同じ前年実績超えであっても企業間でうっすらと「差」が見えてきている。