宅配便大手3社の取扱個数伸び率が鈍化
背景にある二つの要因とは
宅配便大手3社(ヤマト運輸、佐川急便、日本郵便)の取扱個数の伸びが鈍化している。コロナ初年度にあたる2020年度は巣篭もり消費の急激な拡大により3社合計で年間5億個も増加したが、翌21年度の増加は1億個にとどまった。
22年度に入り、伸び率がさらに鈍化している。背景には大手EC事業者の自社物流化が進み、宅配大手以外に委託する“隠れ宅配”がさらに進んだことに加え、物価上昇を受け消費自体が弱含みで推移しているとの見方も出ている。
日本の宅配便全体のうち9割以上のシェアを持つ3社。20年度の3社合計の取扱個数は45億3300万個となり、19年度比で5億300万個増と巣篭もり消費の拡大を受け大きく伸長した。続く21年度は反動もあって伸びが鈍化。20年度対比で2.2%増の46億3200万個となり、個数の伸びは約1億個にとどまった。
21年度の各社の実績を振り返ると、ヤマト運輸は22億7500万個で、前年度から約1億7900万個、率にして8.5%増と好調。佐川急便は13億6900万個で、前年度比2200万個、1.6%増と堅調だった。
これに対し、日本郵便は苦戦。ゆうパックの取扱個数は9億8800万個で、前年度比1億200万個減、率にして9.4%減と“独り負け”状態となった。その結果、ヤマトと佐川で約2億個の増加となったものの、日本郵便が1億個減らしたことで、3社の純増分は1億個にとどまった。