中国が台湾周辺で開始した実弾演習では、台湾を封鎖するシナリオに沿って作戦を実施しているもようだ。この演習からは、中台間で紛争が発生した際に中国指導部が展開し得る威圧的な戦術が透けて見える。今回の軍事演習はナンシー・ペロシ米下院議長の台湾訪問への対抗措置で、4日正午から4日間の日程で始まった。台湾を包囲するように6区域で実施されており、一部は台湾の主要な商業港に近く、台湾が「領海」と主張する海域とも重なっている。軍事専門家からは「一時封鎖」との指摘も出ている。中国は台湾を自国の領土とみており、必要なら武力統一も辞さない構えをみせている。この悲願を達成し、米国の介入を抑止する目的で、数十年にわたり軍拡を進めてきた。とはいえ、中国は全面的な台湾侵攻に踏み出す能力はまだ持っておらず、向こう数年で実行する作戦としてはあまりに複雑でリスクが高すぎる、と指摘する専門家は多い。
台湾封鎖の中国軍演習、「戦火なき統一」予行か
侵攻より封鎖の方が中国にとってリスクが低いとみられる
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