早くからブロックチェーン(分散型台帳)技術に傾倒していたブライアン・アームストロング氏は、暗号資産(仮想通貨)取引プラットフォームを手がけるコインベース・グローバルを設立し、大きく成長させた。同氏は従業員を何千人も雇い、新たな市場を切り開き、同プラットフォームで利用できるデジタル通貨の種類を増大させた。コインベースは仮想通貨取引所で米国最大手となり、2021年春に株式上場を果たした。上場時の時価総額は860億ドル(現在のレートで約11兆6000億円)に達した。今年に入って仮想通貨が暴落し、同社の時価総額は210億ドル付近に急減している。アームストロング氏は今や、高い経費と縮小する手元資金、直近では米規制当局が突きつける課題に直面する中、肥大化したビジネスをかじ取りする難題に取り組んでいる。