他の選択肢をすべて使い果たした後、エネルギーに関して唯一の賢明な政策をほぼ実行に移すようなものだが、それはドイツ政府に任せよう。何カ月にもわたる苦悩に満ちた議論を経て、ドイツ政府はついに5日、同国がこの冬のエネルギー不足を乗り切るために原子力の利用を延長すると発表した。ロベルト・ハーベック経済・気候保護相は、電力が必要になれば――そうなることはほぼ確実だが――ドイツは残り3基の原子炉のうち2基について、来春まで稼働できる状態を維持するかもしれないと述べた。3基の原子炉は現在、国内電力需給の6%しか賄っておらず、今回の決定は、ドイツのエネルギー危機を完全に解決するものではない。より大きな問題は、大量の天然ガスを必要とする産業界への対応だ。しかし原発を維持すれば、発電用に使わなければならないガスの少なくとも一部を他の目的に転用できるようになる。
【社説】中途半端なドイツの原発政策
原子炉2基の稼働延長は現実の一時的な受け入れに過ぎない
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