投資家は長い時間をかけて「経済学入門」で学んだ教訓を忘れ去ってきた。だがここにきて、政府による価格統制が政策手段に盛り込まれることを受け入れる必要があるかもしれない。英国で6日、第56代首相にリズ・トラス氏が就任し、家庭用エネルギー料金を現行水準で凍結することこそ、最初に注力する重要な政策だとの考えを表明した。英電力会社が一般家庭に請求できるエネルギー料金の年間上限額は10月に3549ポンド(約59万円)に引き上げられる予定で、1年間で約3倍に上昇する計算だ。これに対し、英政府は今年の冬から来年の冬にかけて18カ月間にわたりエネルギー料金の上限を2500ポンド(約41万5000円)前後とし、エネルギー会社が被る損失を補填(ほてん)する計画だと広く考えられている。