
転職サイトで見かける「社名非公開求人」。「ブラック企業では?」「まさか釣り広告?」といった疑念から、応募をためらう人も少なくないでしょう。しかし、その警戒心こそが、実は優良企業との出合いを逃す「もったいない思い込み」かもしれません。2万人以上を支援してきた転職エージェントが、知られざる裏側を暴露します。さらに、求職者のキャリア形成にも有益な「社名非公開求人の活用法」を解説します。(クライス・アンド・カンパニー代表取締役 丸山貴宏)
名前を出すと採用できない…
その会社、ヤバいのでは?
「社名非公開」として具体的な求人企業名は伏せられたまま、業種や職種、勤務地、想定年収などの概要だけが掲載され、詳細情報は「エージェントに登録後に開示」などと記載されている――。
転職サイトや人材エージェントのホームページを見ると、そうした「非公開求人」として掲載されている情報があります。条件を見ると、年収や役職が高いことも少なくありません。魅力的に感じる一方、うさん臭さを感じたり、警戒心を抱かされたりすることもあるでしょう。
いわゆる「釣り広告」「おとり広告」ではないか、と心配する人がいるのは当然です。
そもそも、なぜ企業名を伏せなければならないのか、という疑問を求職者が抱くのも当然でしょう。
実は、非公開求人には大きく分けて2つの種類があります。1つは転職サイトなどに掲載されている「社名だけが非公開」の求人。もう1つは、転職サイトには掲載されず、特定のエージェントだけが取り扱う「完全非公開」の求人です。
一見、うさん臭さも感じられる非公開求人にはどんな狙いが隠されているのでしょうか。求職者は応募してもいいのでしょうか。
実は、非公開求人の「背景」と「使い方」さえ知っていれば、積極的に活用すべきものだということがわかります。