
英検2級や準1級――高校卒業から大学レベルの英語資格に合格する小学生がいるという。そうしたハイレベルな試験に受かる子には、どのような共通点があるのだろうか。小学生専用の英検対策オンライン塾を運営する孫辰洋さんに聞くと、意外な答えが返ってきた。(構成/ダイヤモンド・ライフ編集部)
小学生で英検準1級に受かるために
英語力よりもまず大切なこと
私たちは、小学生を対象に英検2級、準1級の合格を目指す英検対策のオンライン指導を行っています。
英検2級は高校卒業程度、準1級は大学中級程度の英語力が必要だとされています。単語数でいうと2級が5000語くらい、準1級が7500~9000語くらいのイメージです。
このような話を聞くと、「高いレベルの英語力が必要になる」「英語のボキャブラリーを増やすことが大事だ」と思われるかもしれません。
ただ、小学生がこのレベルに挑戦する場合、実は英語力と同じくらい、もしくはそれ以上と言ってもいいほど大切なことがあります。
例えば、2025年度第1回の準1級の試験では、「各国政府は協力して世界の食料生産を増やすべきか?」をテーマに自分の意見を英語で論述する問題が出ました。
このテーマを理解して、自分の意見を述べる。たとえ日本語だとしても、できる子は少数ではないでしょうか。
だからこそ、まずは問題のテーマになるような内容を理解して、自分の考えを言葉にする力が必要なのです。これはただ単に「難しい言葉を覚える」ということではありません。難しい言葉や抽象的な概念を自分の言葉で説明できることがポイントです。
例えば、英検2級レベルの単語に“civilization”があります。日本語では「文明」ですが、文明といわれても小学生はあまりピンときません。
そこで私たちは、「あなたの町ってどうやってできたんだろう?」と問いかけます。単語のイメージをつかんでもらい、自分の言葉で説明できるようにすることが重要なのです。