英国を無力なように見せることは一段とたやすくなっている。リズ・トラス氏が6年で4人目となる首相に就任したばかりだが、英国の1人当たり国内総生産(GDP)は新型コロナウイルス流行前の水準をなお下回り、インフレ率は主要経済国の中で最も高い。イングランド銀行(中央銀行)は来年の景気後退を予想し、深刻なエネルギー危機にも陥っている。かれこれ10年以上、生産性はひどい状態にある。主要な貿易圏から自ら離脱し、債務は膨らみ、ストライキで重要な港や鉄道、裁判所の活動はまひしている。投資にふさわしい場所とは思えないかもしれない。確かに、ドイツ銀行は今週、英国が国際収支の危機に陥る(小さな)リスクがあると警鐘を鳴らした。だが、あらゆることに代償はつきものだ。したがって、英国への投資が、明らかな弱点を正当化する以上に十分割安かどうかを少なくとも検討する価値はある。