プレッシャーなくマイペースに
夢のために踏み出した3人の若者

 この日、勇気を持って体験発表してくれた若者は3人。本人が話しやすいように、インタビュー形式で行われた。

 20歳代男性のIさんは、引きこもっていて家から出られなかったとき、母親から「職親制度があるけど、どう?」と勧められ、張籠工房を選んだ。

「最初はどういうことをするのか不安やったんですけど、1回行ってみて、代表者さんと話をしてみたら、優しく接してくれたので、行きやすかったんです」

 初めて代表者に会うとき、府の職員が付き添いで同行。一緒に話をしてもらったことが「ありがたかった」という。

 Iさんは、週に2~3回、2~3時間ずつ、モノづくりの作業を1ヵ月続けられた。

「師匠さんと接していくうちに、人と会話していくのが楽しくなってきて、コミュニケーションもとれるし、モノを作るという達成感も得られました。人との接し方が変わったことが、自分の中で大きかったと思います」

 Iさんは現在、ボランティア活動とともに、支援団体で「ワンコインジョブ」を行っている。

 20歳代女性のMさんは、強迫性障害を抱えていて、大学中退後、アルバイトに就くにも高い壁があった。

 ところが、恐る恐る職親制度の担当者に電話したところ、親切にわかりやすく仕組みを教えてくれて、制度を利用してみようと思ったという。

 彼女が選んだのは、クレープ店。職場に見学に行くときも、受け入れてもらえるのかどうか不安が大きかったので、担当者に付き添いを依頼。会社側に、自分の症状を話しやすく、心強かったという。

「行ってみると、小さい店でしたが、温かくてのんびりした雰囲気があって、自分に合ってる感じがしました」

 体験通勤は、週に2~3日。14時から18時頃まで、1ヵ月通い続けた。

「しんどいときもあって、2日続けて休ませてもらったことがありました。そんなときも、“しんどいときは1時間前でも言ってくれれば、行かなくてもいいよ。また行けるようになったら、連絡ください”と言ってもらえた。こうした対応で、すごく楽でした」