イノベーション(技術革新)のおかげで、米国人はソファに座ったままタクシーを手配したり、食料品を注文したり、車を購入したりさえできるようになった。しかし、間違いなく最も重要な買い物である「ヘルスケア」に関しては、資本主義は期待に応えられていない。商機の不足が原因でないのは確かだ。米国は世界最大の経済国であり、先進国の中で経済に占める医療サービスの割合が最も高い。アマゾン・ドット・コムがこの業界の破壊に何度も失敗していることは、有意な変化を起こす難しさを浮き彫りにしている。失敗とは、大きな期待を呼んだ投資会社バークシャー・ハザウェイと金融大手JPモルガン・チェースとの合弁事業や、社員を対象とした遠隔医療サービス「アマゾン・ケア」のことだ。