ダイヤモンド決算報・夏#医療機器Photo:PIXTA

コロナ禍だけでなく、円安や資材高の影響も相まって、多くの業界や企業のビジネスは混乱状態にある。その状況下でも、苦境を打破できた企業とそうでない企業との間で勝敗が分かれている。そこで、上場企業が発表した直近四半期の決算における売上高を前年同期と比べ、各業界の主要企業が置かれた状況を分析した。今回はテルモ、オリンパス、シスメックスの「医療機器」業界3社について解説する。(ダイヤモンド編集部 宝金奏恵)

テルモは四半期として
過去最高の実績に

 企業の決算データを基に「直近四半期の業績」に焦点を当て、前年同期比で増収率を算出した。今回の対象は以下の医療機器業界3社。対象期間は2022年2~6月の四半期としている(3社とも22年4〜6月期)。

 各社の増収率は以下の通りだった。

・テルモ
 増収率:14.9%(四半期の売上収益1973億円)
・オリンパス
 増収率:11.8%(四半期の売上高2141億円)
・シスメックス
 増収率:8.4%(四半期の売上高860億円)

 いずれも前年同期比で増収となった医療機器業界の3社。また、各社の増収率の時系列推移を見ると、3社とも「7四半期連続」での増収となっている。

 中でも、テルモは22年3月期第1四半期で、四半期として過去最高の売上収益を記録した。

 好調の要因は何なのか。次ページで詳しく解説する。