「アジアの世界都市」を掲げながらも、ここ2年余りは世界に門戸をほぼ閉ざしてきた香港で、ようやく水際対策を見直す動きが出ている。新型コロナウイルス規制の緩和で経済界の不満の一部は解消されるだろうが、まだ大々的な観光ブームは期待しない方がよさそうだ。地元メディアによると、香港は近く入境者のホテル隔離義務を廃止する可能性がある。李家超(ジョン・リー)行政長官は20日、香港政府が隔離についての規制に調整の余地があるかどうかを検討していると語った。現在は香港到着後3日間のホテル隔離に続き、4日間の自宅などでの健康観察を義務付けている。報道によると、これを7日間の健康観察期間に変更する可能性がある。香港は長期にわたり中ぶらりんの状態だ。中国と世界のその他地域とを結ぶ架け橋だったはずが、どちらの方向も通行止めになっている。2022年1~7月の香港訪問者数は19年同期より99.7%減少した。ここ1年ほどは中国本土との隔離なしの往来を目指したが、感染力の強い新型コロナ変異株「オミクロン株」に期待を打ち砕かれた。