インフレによって米国人の消費支出が減っていると思うなら、金利上昇が今後どんな影響を及ぼすかを見るべきだ。米商務省が9月30日に発表した8月の個人消費支出(PCE)は0.4%増と、前月の0.2%減からプラスに転じた。ただ、同じく連邦準備制度理事会(FRB)が重視するインフレ指標であるPCE物価指数も、8月に0.3%上昇した。つまり、インフレ調整後の実質消費支出は0.1%増にとどまった。それでも、7月と8月の実質消費支出の平均水準は第2四半期(4-6月期)を上回っており、このまま行けば消費支出は8四半期連続の増加となりそうに思われる。だが金利の状況を考えると、9四半期連続とは行かないかもしれない。30日に発表されたPCE統計には、FRBにさらなる利上げを継続する計画をためらわせるような要素はなかった。それどころか、コア物価指数(インフレ傾向をより正確に把握するために食品・エネルギー価格を除外した指数)は、前月比で0.6%、前年同月比では4.9%の大幅な上昇となった。発表を受けて先物市場では、11月上旬に実施される連邦公開市場委員会(FOMC)会合で、0.5ポイントではなく、0.75ポイントの利上げが再度行われるとの観測が強まった。
米消費支出にのしかかる金利上昇
インフレでも支出の伸びが続けているが、高金利となると話は別かもしれない
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