ロナルド・レーガン氏は大統領だった1986年当時、「われわれの通商政策は自由で開かれた市場という基盤にしっかりと立脚している」と述べた。その30年後、ドナルド・トランプ前大統領は「関税という言葉は実に美しい言葉だ」とツイッターに投稿した。トランプ政権は、鉄鋼、アルミニウムのほか、多くの中国製品に最大50%の関税を課し、共和党の一部から喝采を浴びた。ほぼ40年にわたり自由貿易を推進する党であり続けてきた共和党だが、一部党員には保護主義の危険性について再教育が必要だ。共和党員は疑いなく、減税・雇用法をトランプ政権の最高の成果と考えている。しかし、同政権下で労働者世帯に対する成長志向の減税を掲げた多くの人たちは今や、関税という形で同じ世帯に対する増税を支持している。トランプ政権が導入した関税のコストのほぼすべてを米国の消費者と企業が負担したことが多くの研究で示されている。一例を挙げると、トランプ大統領が関税を課してから数カ月以内に、洗濯機の価格が中央値で86ドル(約1万2400円)上昇した。シンクタンクのアメリカン・アクション・フォーラムによると、トランプ大統領が導入した関税をすべて合わせると、消費者にとってのコストは年間約510億ドル増加している。
【寄稿】共和党はトランプ関税を捨てるべき
貿易は外交政策ではなく個人の権利
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