英国のリシ・スナク新首相は、金融の安定を損なうことはしないという姿勢を明確に示し、市場の沈静化に一役買った。次は同氏の前により困難な課題が立ちはだかっている。それは自身の経済運営手腕でスタグフレーションも「不満の冬」も乗り切ることができると、投資家のみならず国民も納得させることだ。スナク氏は26日、財政計画についてジェレミー・ハント財務相と協議するため、計画発表を10月31日から11月17日に延期した。その後、首相として初めて議会に登壇し「経済の安定と信頼を取り戻すには、難しい判断を迫られることになるだろう」と語った。リズ・トラス前首相が辞任し、元ヘッジファンドマネジャーのスナク氏が首相となったことで、市場は落ち着きを取り戻した。トラス氏が財源を示さずに減税やエネルギー補助金の支給を打ち出し、市場がインフレと債務膨張への懸念から売り一色になる前と同程度か、それを上回る水準まで相場は回復した。
英スナク新首相、市場沈静化でも課題は山積
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