中国の習近平国家主席は、自身への忠誠心が最も高く、攻撃的な大使を昇格させ、外交チームの陣容を刷新している。西側諸国に譲歩しない習氏の対決姿勢が外交上、さらに強まることになりそうだ。習氏に買われ、2021年7月から駐米大使を務める秦剛氏(56)は来春、次期外相への就任が有力視されている。内情に詳しい関係筋が明らかにした。中国の利益をにべもなく代弁することで知られる秦氏は22日、中国共産党の中央委員205名の一人に選出された。現役大使が中央委員に直接昇格するのは、毛沢東時代が幕を閉じて以降、初めてとなる。王毅現外相は23日、24人で構成される政治局のメンバーに選出された。共産党の外交トップで、米政府との折衝を中心となって担当してきた楊潔篪政治局員の後任になるとみられている。かつては礼儀正しい外交官として知られていた王氏だが、習氏の下で2013年に外相に就任して以降、強硬姿勢を強めてきた。