【社説】民主党員のためのエネルギー教育Photo:NurPhoto/gettyimages

 米民主党が来週の中間選挙で敗北すれば、その要因の一つはエネルギー価格の高騰だろう。選挙で負けた場合、それは民主党が推し進めた政策の結果だという教訓を突きつけられるはずだ。

 石油・ガス会社が先週発表した好調な決算を巡り、ジョー・バイデン大統領が28日に怒りをあらわにしたことを考えてみてほしい。バイデン氏は資金集めの集会で、大手6社が「四半期に700億ドル(約10兆3700億円)の利益を上げた」と述べた。これらの「過剰な利益は、ガソリン価格の引き下げにつながるのではなく、これらの企業の株主や幹部に還元される」と指摘した。米国における石油投資を制限するために力の及ぶ限りあらゆる措置を取ってきた同大統領は、自身がうまく達成したことに対して激怒している。

 バイデン氏は、石油会社が利益を上げたり、限界費用をカバーしたりすることは許されるべきではないと考えているようだ。同氏は「われわれは、エネルギー会社が石油1バレル当たりのコストを反映して1ガロン当たりのガソリン価格を引き下げるよう仕向け続ける必要がある」と述べた。それ以上のもうけは「超過」利益なのだという。

 石油メジャーは現在利益を出しているが、新型コロナウイルス感染症のパンデミック(世界的大流行)時には多額の損失を出していたことを覚えておく必要がある。ロックダウン(都市封鎖)に伴って石油価格が急落する中、企業や石油輸出国機構(OPEC)は投資を抑制し、油井を閉鎖した。その後、石油に対する需要は、供給をはるかに上回るペースで回復した。そのため価格が上がり、利益が増えた。これが経済学の基本だ。

 バイデン氏はとりわけ、企業が供給を増やすよりも、株主に現金を還元していることにいら立っている。同氏は今月、「企業はこれらの記録的な利益を生産と精製を増やすために使うべきだ」と述べた。しかし、気候変動対策を支持する進歩的なロビー団体や、同氏自身の政権の気候変動政策は、その逆を促してきた。