フェルディナント・ヤマグチの走りながら考える

「これが軽自動車?」と高級車に乗り慣れたVIPをもうならせた、日産の軽自動車「ルークス」。重心が高くなるというハンデをどう乗り越えたのか、快適な乗り心地を生み出すショックアブソーバーの採用、車内がとても静かな理由について、開発責任者の坂さんにいろいろ教えていただきました。そうそう、今回は本編の前のヨタ話がとてもうらやましい話なんです。オーロラ!犬ぞり!うらやましかったのは私だけではなかったようで……ぜひ、最終ページまでお読みください。(コラムニスト フェルディナント・ヤマグチ)

マイナス49℃の世界でオーロラを見る

 みなさまごきげんよう。
 フェルディナント・ヤマグチでございます。
 今週も明るく楽しくヨタ話から参りましょう。

 オーロラ見物で、カナダ・イエローナイフに娘と来ております。

 バンクーバーで中型機に乗り換えて北へ向かって2時間半。北緯66度の場所にありますから、“ほぼ北極圏”と呼べる場所。「世界で1番オーロラが見える街」として名高い土地であります。

 北の街だから、当然寒い。不用意に金属を素手で触ると皮膚がピキッと張り付いてしまうほどです。

……と分かっているのに、タラップの手すりに素手で触れてしまいました。凍結することはありませんでしたが、2日間ほど、やけどのような痛みがありました。軽い凍傷になっていたんですな……と分かっているのに、タラップの手すりに素手で触れてしまいました。凍結することはありませんでしたが、2日間ほど、やけどのような痛みがありました。軽い凍傷になっていたんですな Photo by Ferdinand Yamaguchi

 到着した日はまさかのマイナス49℃!ガイドさんも「何年も住んでいますが、こんな気温は経験したことがありません」と言っていました。しかしレンタルした最新の防寒着は非常に優秀で、凍えてしまうような寒さは感じない。ヤバいのは手と顔です。フルフェイスのマスクを被り、さらにジャケットのフードを被っても耳と頬にピリピリと痺れるような痛みを感じます。

マイナス32度をあらわす気温計日が上がってもこの気温ですからね。そりゃ寒いわけです Photo by F.Y.

 寒いのは人間だけではありません。あまりに寒いとクルマにも影響が出る。オーバーヒートならぬオーバークール対策のために、多くのクルマがラジエーターを塞いで走っていました。

このようにラジエーターを布で塞いで過冷却対策をしていますこのようにラジエーターを布で塞いで過冷却対策をしています。エンジンの冷え過ぎは燃費にも影響するそうです Photo by F.Y.

 温かい部屋でコーヒーを飲んで、防寒対策をして、意を決してエイヤと飛び出ても、外にいられるのは10分が限界という極寒でしたが、その分得るものも大きかった。動画でご覧いただけないのが残念ですが、いわゆるオーロラの「ダンシング」や、貴重な赤い光も見ることができました。

空に揺れるオーロラ「神々しい」とはこのことです。この光がカーテンのようにユラユラと揺れるのです。オーロラが出るか出ないかは、まさしく運次第。この地で一週間粘っても、見られない人は見られない。初日の夜から最高のオーロラを見ることができたのは日頃の善行の賜物でありましょう(笑) Photo by F.Y.

 今年は太陽の動きが活発で、「当たり年」なのだそうですが、それにしてもツイていた。最終日の昼には犬ゾリなんぞにも乗ってみました。

時速約40キロで、8キロのコースを一気に駆け抜ける、優れた身体機能を持つアラスカンハスキー時速約40キロで、8キロのコースを一気に駆け抜ける、優れた身体機能を持つアラスカンハスキー。わずかなインターバルで次の客を乗せて走り去っていきました。マイナス50℃の夜でも平気で外で寝るそうです。パッと見はやせ型で脂肪がついていないように見えますが、どのような身体構造をしているのでしょう Photo by F.Y.

 ということで本編へと参りましょう。

日産「ルークス」日産「ルークス」(広報写真)

「これが軽なのか?」と、超VIPをも唸らせた日産ルークスの開発者インタビュー、後編です。