子どもたちが生きる数十年後は、いったいどんな未来になっているのでしょうか。それを予想するのは難しいですが「劇的な変化が次々と起きる社会」であることは間違いないでしょう。そんな未来を生き抜くには、どんな力が必要なのでしょうか? そこでお薦めなのが、『世界標準の子育て』です。本書は4000人を超えるグローバル人材を輩出してきた船津徹氏が、世界中の子育ての事例や理論をもとに「未来の子育てのスタンダード」を解説しています。本連載では本書の内容から、これからの時代の子育てに必要な知識をお伝えしていきます。

世界標準の子育てPhoto: Adobe Stock

「兄弟平等」は上の子にとって不平等

 二人目以降の子どもができた時、みなさんはどうするでしょうか。「兄弟姉妹は平等に育てるもの!」と思っていないでしょうか?

 実は、平等の精神は子どもの人格、そして家庭環境に大きな悪影響を及ぼします。

 結論から言えば、兄妹姉妹は平等に育てる必要はありません。上の子を中心に育ててあげてください。

 特に、「お兄ちゃん(お姉ちゃん)なんだからがまんしなさい」は、絶対に使ってはいけないNGワードです。

 というのも、上の子は生まれた時から親の愛情を100%独り占めしてきました。つまり、もともとは一人っ子だったわけです。

 それが下の子どもができた途端、「あなたはお兄ちゃん(お姉ちゃん)になったので、これからは愛情を50%ずつに分けます」と言われても納得できるものではありません(親はそんな言い方はしないでしょうが、子どもはそう感じるのです)。

 弟や妹ができた途端、受けていた愛情が50%(多くの場合50%以下)に減ってしまうと、上の子は不安になります。

 たとえば病室で母親に抱かれておっぱいを飲んでいる赤ちゃんを目にした時、上の子は「大好きなママが取られた!」と強いジェラシーを感じるのです。

 同時に「ママから愛されている!」という自信がグラグラと揺らぎはじめます。

 そして母親の愛情を取り戻すために、指しゃぶりをしたり、おもらしをしたり、まとわりついてみたり、駄々をこねてみたり、保育園に行きたくないと泣きじゃくったり、おかしな行動をするのです。

「赤ちゃん返り」は母親の気を引くため

 親の愛情を確かめるために「良いこと」をしてくれれば助かるのですが、たいていの子どもは「悪いこと」をします。

 もちろん本人は悪いことをしているという意識はなく、親の関心を自分へ引き寄せたい一心です。

 この寂しいという気持ちを理解せず「がまんしなさい!」「めんどうかけないで!」と突き放してしまうと、子どもの心は冷えきってしまいます。

 上の子におかしな行動が目立ってきたら「○○ちゃん、寂しい思いをさせてごめんね」と謝って、ギュッと抱きしめてあげてください。

 そして下の子のめんどうはお父さんに任せて上の子と二人きりで過ごす時間をつくってください。

 下の子は生まれた時から上の子がおり、「親の愛情は100%独り占めできないもの」「愛情は兄弟姉妹分け合うもの」という前提で生まれてくるので、下の子は少々愛情不足になっても問題がないのです。

 兄弟は上の子を中心に。ぜひ覚えておいてください。