元芸人が教える「すべらない話」の上手な作り方

「コミュニケーションは“お笑い”のスキルでもっとうまくいきます」。そう語るのは、元芸人でネタ作家の芝山大補氏だ。芸人300組以上のネタ制作に携わった経験を活かし、ビジネスパーソンから一般の方まで幅広い層に「コミュニケーションに活きる笑いのスキル」を教えている。そのノウハウをまとめた初の著書『おもろい話し方　～芸人だけが知っているウケる会話の法則』が話題を集めている。「初対面でも会話が続く人がやっていること」「トークで相手を引き込むコツ」「相手の心に10倍響く“感想”の伝え方」「好かれるリアクションの極意」「すべらない話の作り方」「お笑いタイプ診断」など、元芸人ならではのコミュニケーションノウハウが満載の一冊だ。今回は、その芝山氏にコミュ力を高めるコツを聞いてみた。

笑うポイントが「オチだけ」のエピソードトークは×

　今回は、すべらない話（エピソードトーク）のコツについて紹介します。拙著『おもろい話し方』では「話の盛り方」や「エピソードの見つけ方」などを紹介しましたが、ここではエピソードトークを組み立てる際のコツについて紹介します。

　まずお伝えしたいのは「エピソードトークの笑いどころがオチだけになってはいけない」ということです。

　実は、笑いどころが一箇所だけのトークはプロの芸人もあまり話しません。なぜなら、オチまで笑いがない状態で話すのは精神的にキツいからです。

　逆に、オチまでに何度か笑いが取れれば、気持ちも楽になりますし、オチもよりウケやすくなります。

描写を細かく伝えると面白くなる

　エピソードトークのなかには「笑わせるポイント」をいくつか作りましょう。そのために使えるのが「描写を細かく伝える」ことです。

　たとえば、オチにつながる人物の変な服装を伝えたいなら

「この前、変な服装の女性がいて……」
→「この前、アフリカの先住民族くらいアクセサリーを着けている女性がいて、もう歩くたびにジャラジャラって音がなってたんだけど……」

　というように、より具体的に描写を伝えていきます。サラッと話していた部分も、「どんな？」を突き詰めて、詳細に話すと笑いのポイントがつくれるものです。

　また、『おもろい話し方』でも紹介しましたが、擬音を使うのも効果的です。宮川大輔さんは、これをよく使っています。

　エピソードトークを話す際は、ぜひ笑うポイントを複数つくることを意識してみてください。