頑張っているのに成果が出ない。どうすればいいのか、途方にくれる人も少なくないだろう。そんな人におすすめなのが、『1位思考──後発でも圧倒的速さで成長できるシンプルな習慣』。創業9年目で売上300億円にしたアンカー・ジャパンCEOの猿渡歩氏、初の著書だ。猿渡氏は「適度にサボると生産性は上がる」という。27歳入社→33歳アンカーグループ最年少役員→34歳アンカー・ジャパンCEOになった著者が、参入したほぼ全製品カテゴリーでオンラインシェア1位になった秘密は、シンプルな6つの習慣にあった。本書の一部を抜粋しながら急成長の秘密を明らかにしていこう。
少人数だから機能する『アベンジャーズ』
少数精鋭の組織づくりは、これまでもこれからも大事にするつもりだ。
でも、能力の高い個人が「各々」活躍するだけで、伸び続けられる事業は少ない。
映画『アベンジャーズ』シリーズに登場するスーパーヒーローのチームは強力だが、十数人だから機能しているともいえる。
ヒーローが100人いる会社が成果を上げ続けられるかは疑問だ。
アップルの共同創業者スティーブ・ジョブズを尊敬している人は多いかもしれないが、ジョブズが100人いる組織が強いかというと、そうでもないだろう。
強い組織になるには、リーダーシップのある人だけでなく、その人をサポートするメンバーも必要だ。
全員がヒーローでも全員がサポーターでもなく、全体として高いパフォーマンスを発揮するチームが最強だ。
そして一人ひとりの能力は違っても、意識は合わせられる。
ミッション、バリューに沿った経営はできる。
だから「全体最適」の習慣が重要なのだ。
こんな意識があると強いチームができる
私は職業に貴賤なしと心底思っている。
社会的に地位の高い人が、レストランなどで店員に横柄な態度を取るのも好きではない。
企業も組織なので階層はあるが、能力に応じて業務分担しているだけで、役職上位者だから偉いとは思わない。
あくまで一般論だが、メーカーでは、プロダクトチームやマーケティングチームが「花形」といわれ、意見が強いことがある。
アンカー・ジャパンでは、部門間の優劣は一切ない。
売上を直接のKPIとするビジネス部門だけでなく、カスタマーサポートや製品開発部門等も売上の最大化、長期的な成長というゴールを共有している。
「全体最適」を実現する組織に必要な3つのこと
フロントメンバーとアシスタントの優劣もない。
会社全体の成長のため、メンバーそれぞれの適性や能力を踏まえ、効率的に業務分担し、必要な行動をしている。
つまり、全体最適を実現する組織をつくるために意識すべきことは次の3つとなる。
・どんなに能力が高くても、一人で大きな企業は動かせない
・能力が高い人だけを集めても、機能するとは限らない
・組織間の優劣がなく、お互いが尊重し合えると強いチームができる
(本稿は『1位思考』の一部を抜粋・編集したものです)