業績が悪く給料が上がらない。頑張っているのに成果が出ない。
そんな人におすすめなのが、『1位思考──後発でも圧倒的速さで成長できるシンプルな習慣』(11/30刊)。創業9年目で売上300億円にしたアンカー・ジャパンCEOの猿渡歩氏、初の著書だ。27歳入社→33歳アンカーグループ最年少役員→34歳アンカー・ジャパンCEOになった著者が、参入したほぼ全製品カテゴリーでオンラインシェア1位になった秘密は、シンプルな6つの習慣にあった。本書の一部を抜粋しながら急成長の秘密を明らかにしていこう。
コンサル→ファンド→外資系メーカーという稀有な経歴
私は27歳で右も左もわからないアンカー・ジャパンに入った。
新卒でコンサルティング会社→プライベート・エクイティ(PE)ファンド→外資系メーカー(アンカー・ジャパン)と渡り歩いてきた。
まわりを見渡しても珍しいキャリアかもしれない。
だが、私は天才ではない。
後述するとおり大学受験でも失敗している。
コンサルやファンドには自分より優秀と思える人がたくさんいた。
彼らに比べたら、自分は凡人だと思う。
だからこそ、体当たりで身につけた「1位思考」を実践することで、27歳入社→33歳アンカーグループ最年少役員→34歳アンカー・ジャパン代表取締役CEOになれたと思っている。
誰でも1位になれる、シンプルな6つの習慣
入社以来、業績も右肩上がりで伸びている(図表1)。
本書では、誰でも1位になれる、シンプルな6つの習慣を紹介したい。
1 全体最適の習慣
2 バリューを出す習慣
3 学ぶ習慣
4 因数分解の習慣
5 1%にこだわる習慣
6 サボる習慣
1位になる会社は、「成果の公式」で示される、成果を上げるメンバーの集合体だ。
メンバーが力を発揮して会社が成長し、会社が成長することで、メンバーも力をつけていく。
「成果の公式」とは?
下記の私が定義する「成果の公式」が意味することは明快だ。
成果を上げるには、よく思考し、数多く行動する。
それをスピード感を持って行う。
だが、それだけでは不足。
「ミッション×バリュー」は組織文化への適合を表している。
個人で事業を行ったり、起業したりする人は、自分でミッション、バリューを考え、達成に向かって歩むが、多くの人はなんらかの組織に属している。
その中で成果を上げるには、ミッションやバリューへの共感も必要であり、この共感こそが成果を上げる情熱につながる。
「全体最適の習慣」「バリューを出す習慣」「学ぶ習慣」
本書の構成は次のとおり。
第1章「全体最適の習慣」は、組織全員が「会社にとってベストな選択は何か?」を考える習慣。
自分が日常取り組んでいることと、会社にとってのベストな選択はつながっているべきだが、意外と全体最適を意識している人は少ない。
全体最適の習慣は6つの習慣の根幹で、常にこれを意識できるかできないかで、仕事の結果に決定的な差が出る。すべてのビジネスパーソンにぜひ読んでほしい。
第2章「バリューを出す習慣」は自分が加わることで価値が付加されること。
毎日、前日より0.01(1%)ずつ成長できるとしたら、1年後には37.8倍も差をつけられる(→本書P55)。
だが、行動の方向性を常に見極める必要がある。
どうしたら自分らしい価値を高めつつ、個人も企業も同時に成長させられるか。
「コンサル×ファンド×メーカー」で培った独自の視点で見ていこう。
第3章「学ぶ習慣」では、インプット力と地頭力を同時に磨きつつ、どうしたらアウトプットの質を高められるか。
ラーニングとアンラーニング、スキルの習得という意味では逆T字型と逆π(パイ)字型人間、私の勉強法の視点から考えてみたい。
「因数分解の習慣」「1%にこだわる習慣」「サボる習慣」
第4章「因数分解の習慣」では、私が将棋や経営を通じて培ってきた、因果関係と相関関係、仮説思考やバックキャスティング思考、スピード感の醸成、「非合理の合理」など、社員にも話しているエッセンスを凝縮した。
第5章「1%にこだわる習慣」では、99%まで完成した仕事のラスト1%をやりきるコツに触れる。
実践は難しく、最初は私もできなかった。
しかしプロダクト、お客様、社員と日々向き合う中で、再現性のある方法を思いついた。
アンカー・ジャパンがミッションを達成できた理由をシンプルにいえば、「よい製品×よい組織」ということに尽きる。
そのため、製品づくりにも、組織づくりにもこだわっている。
やり抜くことは才能ではない。
意志さえあれば誰でもできる。
あきらめないことが、私のような凡人が天才に対抗する一番の手段だ。
第6章「サボる習慣」では、「頑張った感」という悪魔をするりとかわし、脳疲労を取る習慣を紹介する。
脳疲労が取れると、アイデアがひらめき、成長の加速度にカチッとスイッチが入る。
一生懸命仕事をしていると、手段と目的が逆転してしまう。
適度にサボりながら、最終目的地に向かって歩き続けてみよう。
6つの習慣を一つひとつ身につけることで、あなたは大きく成長し、その過程でダントツの成果を上げるだろう。
そして、あなた自身や会社も大きく成長し、各々が目指すナンバーワンになれるだろう。
先行き不透明で将来予測が困難な現代でも、あなたの市場価値は必ず高まる。
誰でも、何歳からでも、必ずできる
昔は大企業に入れば一生安泰だった。
でも、今はそうではない。
会社があなたを守ってくれないなら、あなたは今すぐ「1位思考」を身につけるべきだ。
食いっぱぐれないどころか、より上を目指せる存在になれる。
挑戦は何歳からでもできる。
むしろ挑戦しないことが後退である。
さあ、1位になるために、共に歩んでいこう。
この本は私にとって初の著書となる。
アンカー・ジャパンが後発でもシェア1位を獲得できた、そして昔は何者でもなかった私が年商300億円企業の代表になれた、シンプルな習慣を出し惜しみなく公開することを約束しよう。
読み終える頃には、誰でも、何歳からでも、1位の景色が垣間見えるだろう。
あなたの人生は、必ず自分で変えられるのだ。
(本稿は『1位思考』の一部を抜粋・編集したものです)