日米韓首脳会談で合意した「北朝鮮抑止」の大きな成果、元駐韓大使が解説AEANで会談に臨む岸田首相と米国・バイデン大統領と韓国・尹錫悦大統領 Photo:AFP/JIJI

日米韓首脳会談の共同声明で
北朝鮮の脅威に断固対応する決意表明

 13日、ASEAN関連の首脳会議が開かれたカンボジアのプノンペンで日米韓首脳は15分間会談を行った。会談時間は短かったが、事前に準備された共同声明が発表された。前回3カ国首脳会談が開かれたのは半年前であり、その際には日米間の連携強化に合意したものの、具体的な対応には触れていなかった。

 しかし、今回の首脳会談では相次ぐ北朝鮮の弾道ミサイルの発射に対抗するためのミサイル警戒情報をリアルタイムで共有することなど、具体的な方案が明らかにされるとともに、差し迫った7回目の核実験を回避するための強力なメッセージも発出された。

 また、日米、日韓、米韓首脳会談が相次いで行われ、日米韓の隙のない安保体制構築に向けて大きな一歩を踏み出した。

 さらに、米中首脳会談において米国は、中国に北朝鮮抑止のための極めて強い牽制を行った。

 共同声明で日米韓の首脳は、北朝鮮の脅威に断固対応するとともに、ロシアによるウクライナ侵攻や海洋進出を進める中国への対応、経済安保など、幅広い分野での3国間の協力を表明した。

 韓国は共同声明を通じ、米国の東アジア戦略の中に完全に組み込まれたことを明確にし、尹錫悦(ユン・ソンニョル)政権はそうすることで米国の韓国防衛に対するコミットメントの強化を勝ち取るとともに、北朝鮮の脅威に対する日米韓の連携が一段と強化されることになった。