端末一人1台という「GIGAスクール構想」が全国に広がり、EdTech(エドテック)と呼ばれる学校のデジタル環境を使った新しい教育の流れが生まれている。コロナ禍でオンライン学習の利便性も認知され、たくさんの学習アプリが開発され、さまざまなサービスが生まれている。しかし本当にデジタル環境は、子どもの学びに良いのだろうか?学習アプリの開発最前線を追った。(まついきみこ@子どもの本と教育環境ジャーナリスト/5時から作家塾(R))
学習アプリ市場が急拡大!
毎年10%以上の伸びを記録
一言でオンラインの「学習アプリ」といっても、その内容や機能は開発各社によってさまざまだ。そして、活性化するデジタル教育に対応するかのように、どんどん種類も数も増えている。
経産省がEdTechやSTEAMなどの動向をまとめたポータルサイト「未来の教室」の「EdTechサービス一覧」には、学校向けから自主学習の支援まで、さまざまな学習アプリやサービスが現在208件登録されている。
ここの登録以外でも、海外で開発されたものやゲームとして扱われているものも数多くあって、ざっと「子どものオンライン学習」とネット検索すると300件以上がヒット、数えることも不可能な状態だった。
また、この記事では「学習アプリ」と総称しているが、オンラインを使った学習の呼称も「Webラーニング」「オンライン学習」「デジタルアプリ」「ICTツール」など多数ある。それぞれサービスの機能や仕組み、利用体系が多様で内容や普及の実態がつかみにくい。
だが、市場が確実に成長していることは「国内eラーニング市場規模調査」のデータで読み取れた。調査では2022年3309億3000万円(見込み)、2023年3645億5000万円(予測)と、毎年10%以上の伸びを示している。数字に含まれているのは子どもの学習アプリだけではないが、デジタル化の流れはもはや逆流しないし、今後も市場が拡大すると予測される。