【社説】中国「ゼロコロナ」政策の報いPhoto:Kevin Frayer/gettyimages

 新型コロナウイルスへの中国の対応が世界のモデルになるとみられていた頃を覚えているだろうか。西側諸国の公衆衛生の専門家たちは、感染拡大初期に実施されたロックダウン(都市封鎖)がひどい結果をもたらした後、「ウィズコロナ」政策へと移行した米国の厄介な民主的決定に代わるものとして、中国の「ゼロコロナ」政策を好意的に見ていた。そうした評価ももはやこれまでだ。

 新型コロナの感染が初めて確認されてから間もなく3年となる中、中国では記録的な感染者数が報告されている。1日当たりの新規感染者数は過去最高に達し、2カ月間にわたり封鎖された上海で4月に急増した際の水準を上回っている。中国全土で感染が拡大しており、複数の都市で再びロックダウンが敷かれている。ノムラは、中国の国土の5分の1以上が移動制限の対象になっていると推定している。

 最近の感染拡大は、ウイルスの変異に伴って感染力が高まっていることを考慮すると、大きな大陸の国では避けられないものだった。中国特有の問題は、厳格なゼロコロナ政策の結果、国民がワクチンないし自然免疫によって守られる度合いが小さくなっていたことだ。中国共産党はナショナリスト的な理由で、中国国産のワクチンより効果が高い西側諸国産のワクチンの受け入れを拒否している。長期のロックダウンが行われたことは、世界の他の地域の人々のように、ウイルスにさらされて、自然免疫を獲得した人がより少ないことを意味する。