中国・上海で約2カ月にわたり実施されていたロックダウンが、6月1日に解除された。街は活気を取り戻しつつあるが、すぐに「すべてが元通り」とはいかなさそうだ。社会は硬直し、人々は「自由な生活はうれしいが、3カ月前とは何かが違う」と感じている。(フリーランスライター ふるまいよしこ)
上海のロックダウンがようやく解除されたが……
6月1日、やっとのことで上海のロックダウンが解除された。4月1日から全市で始まったロックダウンだが、実際にはすでに70日以上も封鎖されたままの団地もあった。そして、残念ながら一斉に解除というわけにもいかず、その後も封鎖が続いた地区もある。
「ようやく外出の自由を満喫!」と皆が思った矢先、筆者の友人が暮らすマンションではSNSの住民チャットグループに「住民から陽性者発見」の一報が流れた。ロックダウン解除後も引き続き義務付けられている72時間ごとのPCR検査で陽性者が出たらしく、居住マンションは再び封鎖されることに。「わずか2日半の自由だった……」とつぶやいていた。
だがその後、それが間違いだったことが分かり、幸運なことにこのマンションの封鎖は回避された。しかし、友人は言う。「封鎖回避はうれしいけれど、とにかくこうやって振り回され続けるのはキツイ」……たしかにその通りだ。普通の生活からすれば自由を奪われるか否かという時に、「幸運」なんて言ってはいけなかったのだ。