自動運転車の開発ノロノロ しびれ切らす投資家Photo:Justin Sullivan/gettyimages

 自動運転車を巡る野心的な目標と大胆な約束を何年にもわたり聞かされた投資家は、開発ペースにいら立ちを募らせている。投資家の寛大さと潤沢な資金に慣れきっていた同業界に対し、彼らは圧力をかけ始めた。

 自動車メーカーは景気減速による新たな経費削減の必要に迫られる中、ここ数週間に相次ぎ自動運転技術の計画縮小を表明した。ある有力ヘッジファンドは、グーグル親会社のアルファベットが何年も前から進める自動運転技術の取り組みに疑問を投げかけた。多くの専門家がつい数年前に予想したよりもこの事業は多難であることが判明している。

 アクティビスト(物言う株主)のTCIファンド・マネジメントは今月、アルファベットに書簡を送り、自動運転技術開発子会社ウェイモへの継続的支出を問題視した。

 TCIのマネージングディレクターを務めるクリストファー・ホーン氏は書簡の中で、「ウェイモは過剰な投資をいまだ正当化していない。損失は劇的に縮小されるべきだ」と述べた。ウェイモはコメントを控えた。

 ウェイモは、10年余り前に自動運転車の開発に乗り出したアルファベットの忍耐力に支えられてきた。2020年に同子会社は外部投資家からの資金調達を始めた。この動きはウェイモがスピンオフ(分離・独立)を準備しているとの臆測を呼んだ。