焼けつくように暑い日、新興企業トゥーシンプル(図森未来)の自動運転システムを搭載した1台の貨物トレーラーが、米アリゾナ州ツーソン郊外にある交通量の多い高架橋で信号が青に変わるのを待っていた。すると運転席の通話装置から音声が流れた。「交差点は通行可能です」
ハンドルが回転してトラックは左に曲がり、高速道路の進入車線へと静かに進んだ。運転席で注意深く見守るのは、熟練ドライバーのミッキー・ミュラーさんだ。(不測の事態に備えて)ハンドルのそばに両手を構え、フロアペダルの横に足先を置いている。
自動運転トラック技術の開発を行うトゥーシンプルとしては、完ぺきな操作だった。慣れたルートでほぼ理想的な条件のもと、繰り返し練習した通りに運転が行われた。