新型コロナウイルス感染の封じ込めを狙った中国の「ゼロコロナ」政策の破綻には、共産党が政治的な支配を必要としていることなど多くの要因がある。その支配がもたらした副産物の一つでもっと注目すべきなのは、中国政府のワクチン・ナショナリズムであり、14億人の国民に欧米製のメッセンジャーRNA(mRNA)ワクチンの利用を認めないという習近平国家主席の決定だ。新型コロナのパンデミック(世界的大流行)が始まって数カ月、世界中のワクチンメーカーが競って開発に乗り出す中、カナダや米国などの国々は複数のワクチン供給業者と契約を結んだ。最も早く開発された最良のワクチンを使用するためだ。しかし中国は、共産党のナショナリズムに調達に関する決定を委ね、外国製ワクチンの利用を拒否した。
【社説】中国のワクチン・ナショナリズムは失敗
中国政府は外国製mRNA薬を拒絶し、国民を大きな危険にさらしている
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