ロシアの戦車がウクライナ東部に侵攻して間もなく、ウクライナ最大の農場経営企業3社は米ニューヨーク市の面積の2倍以上に相当する土地を失った。
軍によって奪われたわけではない。同国の農場経営企業トップらによると、3つの事例ですべて、農地はロシアのアレクサンドル・トカチョフ元農業大臣の同族会社の手に渡ったという。
これらのウクライナ企業によると、トカチョフ氏の企業アグロコンプレックスは、約40万エーカー(約1620平方キロメートル)に及ぶ土地の権利を取得し、ウクライナ最大の農場経営企業の一つになった。ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)が確認した文書によると、ウクライナの検察庁と軍や民間の情報機関は、この土地収用について調査を行っている。
ロシア軍の占領下にあるウクライナ東部地域では、ロシアは支配強化に動き、自国の通貨や学校のカリキュラムを地元住民に押し付けている。同時に、政治とつながりのあるロシアのオリガルヒ(新興財閥)や企業が、利益を上げるため、目立たない形でこうした新たな占領地域に進出している。