行動制限が解除され、入国制限も大きく緩和されるなど、人々の生活は少しずつ「コロナ前」に戻りつつある。だが、一難去ってまた一難。ビジネスの世界では、円安や資材高が多くの企業を混乱のうずに巻き込んでいる。その状況下で、好決算を記録した企業とそうでない企業の差は何だったのか。上場企業が発表した直近四半期の決算における売上高を前年同期と比べ、各業界の主要企業が置かれた状況を分析した。今回はキヤノン、ニコンなどの「カメラ/光学/複合機」業界4社について解説する。(ダイヤモンド編集部 宝金奏恵)
キヤノン、HOYAら2桁増収
一方、ニコンは低調
企業の決算データを基に「直近四半期の業績」に焦点を当て、前年同期比で増収率を算出した。今回の対象は以下のカメラ/光学/複合機業界4社。対象期間は22年5~9月期の四半期(4社の対象期間はいずれも22年7~9月期)としている。
各社の増収率は以下の通りだった。
・キヤノン
増収率:19.5%(四半期の売上高9961億円)
・ニコン
増収率:1.4%(四半期の売上収益1427億円)
・HOYA
増収率:13.2%(四半期の売上収益1841億円)
・富士フイルムホールディングス
増収率:16.3%(四半期の売上高7241億円)
カメラ/光学/複合機業界4社はいずれも前年同期比で増収となった。ニコンを除く3社が2桁増収となっている。一方ニコンは1.4%増で低調な結果となった。
次ページでは、各社の増収率の推移を紹介するとともに、増収の要因を解説する。