行動制限が解除され、入国制限も大きく緩和されるなど、人々の生活は少しずつ「コロナ前」に戻りつつある。だが、一難去ってまた一難。ビジネスの世界では、円安や資材高が多くの企業を混乱のうずに巻き込んでいる。その状況下で、好決算を記録した企業とそうでない企業の差は何だったのか。上場企業が発表した直近四半期の決算における売上高を前年同期と比べ、各業界の主要企業が置かれた状況を分析した。今回はキリンホールディングス、アサヒグループホールディングス、サッポロホールディングスの「ビール」業界3社について解説する。(ダイヤモンド編集部 宝金奏恵)
ビール3社で最も増収率の高い
サッポロが厳しいワケ
企業の決算データを基に「直近四半期の業績」に焦点を当て、前年同期比で増収率を算出した。今回の対象は以下のビール業界3社。対象期間は22年5~9月の直近四半期(3社とも22年7〜9月期)としている。
各社の増収率は以下の通りだった。
・キリンホールディングス
増収率:16.8%(四半期の売上収益5401億円)
・アサヒグループホールディングス
増収率:19.1%(四半期の売上収益6986億円)
・サッポロホールディングス
増収率:20.7%(四半期の売上収益1320億円)
ビール業界3社の四半期増収率(前年同期比)は、3社ともプラスだった。この中で最も増収率の高いのはサッポロホールディングスだが、3社の中で今最も状況は厳しいと言える。一体なぜか。
次ページで詳しく解説する。