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行動制限が解除され、入国制限も大きく緩和されるなど、人々の生活は少しずつ「コロナ前」に戻りつつある。だが、一難去ってまた一難。ビジネスの世界では、円安や資材高が多くの企業を混乱のうずに巻き込んでいる。その状況下で、好決算を記録した企業とそうでない企業の差は何だったのか。上場企業が発表した直近四半期の決算における売上高を前年同期と比べ、各業界の主要企業が置かれた状況を分析した。今回は東京エレクトロン、ルネサスエレクトロニクスなどの「半導体関連」業界5社について解説する。(ダイヤモンド編集部 宝金奏恵)

レーザーテックは売上高2.8倍
半導体銘柄5社が2桁の増収率

 企業の決算データを基に「直近四半期の業績」に焦点を当て、前年同期比で増収率を算出した。今回の対象は以下の半導体関連業界5社。対象期間は2022年5~9月の四半期(5社とも22年7〜9月期)としている。

 各社の増収率は以下の通りだった。

・東京エレクトロン
 増収率:47.6%(四半期の売上高7092億円)
・ルネサスエレクトロニクス
 増収率:49.9%(四半期の売上収益3871億円)
・アドバンテスト
 増収率:52.8%(四半期の売上高1389億円)
・レーザーテック
 増収率: 182.4%(四半期の売上高257億円)
・ディスコ
 増収率:17.3%(四半期の売上高795億円)

 5社全てが、前年同期比で2桁の増収率を記録した。中でもレーザーテックは、売上高の実額こそ他社より小ぶりだが群を抜く増収率で、前年同期の2.8倍を超えている。

 世界的な半導体不足の影響はいまだ続いていて、半導体関連メーカーの業績は好調だ。ただ、半導体市場には不況の足音が近づいており、各社の決算にもその兆候が表れ始めている。

 次ページ以降では、各社の増収率の時系列推移を紹介するとともに、絶好調が続いてきた半導体関連5社に忍び寄る「曲がり角」に迫る。