アンプル、ワクチンのイメージ写真はイメージです Photo:PIXTA

行動制限が解除され、入国制限も大きく緩和されるなど、人々の生活は少しずつ「コロナ前」に戻りつつある。だが、一難去ってまた一難。ビジネスの世界では、円安や資材高が多くの企業を混乱のうずに巻き込んでいる。その状況下で、好決算を記録した企業とそうでない企業の差は何だったのか。上場企業が発表した直近四半期の決算における売上高を前年同期と比べ、各業界の主要企業が置かれた状況を分析した。今回はテルモ、シスメックスの「医療機器」業界2社について解説する。(ダイヤモンド編集部 宝金奏恵)

テルモは2四半期連続で
過去最高の実績

 企業の決算データを基に「直近四半期の業績」に焦点を当て、前年同期比で増収率を算出した。今回の対象は以下の医療機器業界2社。対象期間は2022年5~9月の四半期としている(2社とも22年7〜9月期)。

 各社の増収率は以下の通りだった。

・テルモ
 増収率:19.1%(四半期の売上収益2060億円)
・シスメックス
 増収率:20.8%(四半期の売上高1080億円)

*オリンパスは23年3月期第2四半期より科学事業を非継続事業に分類しており、同じ基準で売上高を比較できないため、今回は非掲載とする。

 いずれも前年同期比で増収となった医療機器業界の2社。また、各社の増収率の時系列推移を見ると、2社とも「8四半期連続」での増収となっている。

 中でもテルモは、四半期として過去最⾼の売上収益を記録した。

 好調の要因は何なのか。次ページで詳しく解説する。