ベスト50で入れ替わった20校

 ここからは2022年のベスト50にランクインした学校を取り上げる。21年比の全体的な傾向をまずは挙げていこう。新型コロナ禍と最初の大学入学共通テストが直撃した21年に落ち込んだものの、22年には20年並みに回復した例が、公立中心に多く見られることに注目しておきたい。

 国立校はいずれも中高一貫の4校で数は変わらない。公立校は25位札幌南が最高位で、11校から9校に減っており、そのうち1校が中等教育学校である。私立はいずれも中高一貫校であり、国公立大を出て医師になるには、ベスト50の8割を占める中高一貫校を目指すことが有利に働く傾向がさらに進んでいる。

 ベスト10に続き、ベスト50内にも卒業生数がとても少ない学校が2校ある。いずれも対象となる合格者数が1人だがランクインしている。39位青丘学院つくば(茨城県)は韓国系の私立校で卒業生数9人、47位長崎県立北松西は五島列島の小値賀島にあり、卒業生数は10人となっている。

 前回見た「難関私立大学合格力」のベスト50では、22年に20校が入れ替わっている。この「国公立大学医学部合格力」でも20校が入れ替わった。

 女子校は21年の5校から、東京の12位桜蔭(文京区)と27位豊島岡女子学園(豊島区)、そして大阪市の42位四天王寺(天王寺区)の3校となった。21年に39位だったノートルダム清心(広島市西区)は102位に、46位だった雙葉(千代田区)は67位にそれぞれ後退している。22年にベスト100入りし、23年にランクアップが期待されるのは、64位神戸海星女子学院(神戸市灘区)、73位フェリス女学院(横浜市中区)といったところだろうか。20年の49位から59位、102位とランクダウンが続く東京女子御三家の女子学院は、どこまで戻すことができるだろうか。

 国立大では、19位広島大学附属福山が、47位から113位になった大阪教育大学附属池田と入れ替わっている。23年には、67位筑波大学附属や73位東京学芸大学附属などのランクアップにも注目しておきたい。

 公立校の入れ替わりを見てみよう。22年にランクインしたのは、42位東京都立日比谷と44位静岡県立浜松北の2校である。ランクアウトした学校を21年のランク順に見ていくと、大阪府立北野が32位から54位へ、男子校の群馬県立前橋が35位から62位へ、中等教育学校の岡山県立岡山大安寺が40位から57位へ、香川県立高松が45位から64位へ、秋田県立秋田が47位から57位へといった具合に、50~60位台にとどまっている。

 私立一貫校でランクインしたのは、22位徳島文理、34位済美平成中等教育学校(愛媛県)と土佐(高知県)の四国勢と、ランク急上昇中の26位志學館高等部(鹿児島県)である。女子校を除いてランクアウトした学校は2校で、高槻(大阪府)が34位から115位に、男子校の海陽中等教育学校(愛知県)が40位から78位となっている。