フワちゃんが「主人公」になるのを支えた放送作家が企画会社を作ったワケ放送作家・長﨑周成さん

「ユーキャン新語・流行語大賞」のトップ10に「フワちゃん」が選ばれたのは2020年のこと。それから2年がたった今年も、人気お笑いタレント・フワちゃんは、テレビで見ない日はないほど活躍しています。彼女のブレークのきっかけは、YouTubeチャンネルですが、一緒に企画し、撮影を始めた友達…いわば、フワちゃんを見いだし、ブレークのきっかけを作り出したのが長﨑周成さん(31)です。現在、放送作家として活躍していますが、テレビ番組だけでなく、幅広いジャンルでコンテンツを制作し発信しています。一体どんな人で、どんなことを考えているのか、話を聞きました。(聞き手/ダイヤモンド編集部 宝金奏恵)

フワちゃんと2人で始めたYouTube
振り回されて、常識をぶち破った

 フワちゃんに出会った頃、僕は放送作家として3年目を迎えた頃でした。いわゆるゴールデンタイムのバラエティー番組や朝の情報番組などテレビを軸に仕事をしていたのですが、元々学生時代にコンビを組んで芸人として活動をしていたこともあり、芸人さんともっと仕事をしたいなと思っていたんです。

 そんなとき、高校時代から知っている芸人と遊んでいて、「後輩を連れてきた」と紹介されたのが、フワちゃんでした。その頃フワちゃんはまだ全然テレビにも出ていなくて、「何か一緒にやりたいね」と話し、YouTubeを始めました。

 僕はその頃、(他の)YouTuberさんの企画にも携わったりしていたので、「フワちゃんとYouTubeは絶対(相性が)いいんじゃないか」という感覚もあって声をかけました。

 そう言うと僕がフワちゃんの「プロデューサー」的な存在だと思う人もいるかもしれませんが、そうではありません。僕はフワちゃんを操っているのではなく、むしろ振り回されている。

 例えば、YouTuberとして売れるには、毎日動画を更新してファンを増やすのが必要条件でしょう。だから本来はそうやりたいと思っていました。けど、フワちゃんのスタイルと合わなすぎて無理だった。今でも更新を楽しみにしてる人に「最近動画上がってなくない?」と聞かれます(笑)。だけど今も昔も動画は数カ月に1回くらいのペースで変わらずです。フワちゃんが一番面白くできるスパンで、マイペースにやるスタンスを崩さずにやっていたら、人気が出てきたんです。

 また、僕自身も後から振り返ったときに削除したくなるような動画を残したくないと思っています。何回見ても面白いって思ってもらい、自分たち自身も面白いと感じることの方が大事だと考えています。