長期にわたり冷え込んでいた米中の通商・金融面の関係に、ここ1週間で明確な融和の兆しが出ている。中国株、とりわけ米国上場企業や特定のハイテク分野の中国株の投資家は、この動きを歓迎できるだろう。だが半導体セクターとなると話は別で、米中の激しい競争は今後も続きそうだ。中国経済は難局に見舞われているが、ここへ来て紛れもない好材料がいくつか出てきた。米国上場の中国企業の監査を巡る規制当局の長年の対立が、少なくとも当面はハッピーエンドを迎えた。また、中国は史上初めて、自国の監査法人の一部への完全アクセスを米監査当局に認めた。これで米証券取引所に上場する中国企業の上場廃止時期の見通しがリセットされた。中国政府の突然の現実路線への変更は、ハイテク産業の一部にも及んだ。米国に技術利用を制限される可能性のある中国企業の現場視察を米当局に認めたのだ。また米商務省は先週、中国政府の協力を得て輸出製品のエンドユーザーを調査したとして、エンドユーザーが十分に確認できない企業を列挙する「未検証リスト(UVL)」から中国企業25社を外した。
米中、突然の歩み寄り 半導体以外で
通商・金融分野で融和の兆しも
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