株式相場が荒れに荒れた今年、投資家は一斉に信頼できる銘柄に飛びついた。米株式市場では、公益、生活必需品、ヘルスケア分野の企業が今年の嵐を比較的うまく乗り切った。中でも際立っていたのは、電力大手コンソリデーテッド・エジソン、食品大手キャンベルスープ、製薬大手メルクで、いずれも年初からの株価上昇率は2桁に達した。これらのセクターは、業績が景気減速の影響を受けにくいという意味で、ディフェンシブ銘柄とも呼ばれる。厳しい状況下でも消費者は電気料金を払い、食料品を買い、処方薬を必要とするためだ。大きな株価リターンを上げたわけではないが、同セクターは年初からの下落率が通信サービス(40%)や一般消費財セクター(37%)に比べ小幅にとどまった。今年ディフェンシブ銘柄を上回るのが確実なセクターはエネルギーのみだが、これは地政学的対立が原油価格を押し上げたことが要因だ。