ニュースで見聞きした国、W杯やオリンピックの出場国、ガイドブックで目にとまった国――名前だけは知っていても「どんな国なのか?」とイメージすることは意外と難しい。『読むだけで世界地図が頭に入る本』(井田仁康・編著)は、世界地図を約30の地域に分け、地図を眺めながら世界212の国と地域を俯瞰する。各地域の特徴や国どうしの関係をコンパクトに学べて、大人なら知っておきたい世界の重要問題をスッキリ理解することができる画期的な1冊だ。この連載では、本書から一部を抜粋しながら、毎日1ヵ国ずつ世界の国を紹介する。

「赤道ギニアってどんな国?」2分で学ぶ国際社会アフリカ中部

赤道ギニアってどんな国?

 赤道ギニアはアフリカ大陸中央部に位置し、大陸部(リオ・ムニと呼ばれる)とギニア湾の島々から成る国です。大陸部はカメルーン、ガボンと国境を接します。

 首都マラボは大陸部ではなく、ビオコ島にあります。大陸にも領土がある国で首都が島にある国は、ほかにデンマークだけです。ビオコ島には標高3011mの火山バジーレ山があります。土壌が肥沃で、降水量も多いので、農業が盛んです。

 ビオコ島とアンノボン島はカメルーン火山列から続く火山活動が活発なホットスポットによって湧き上がった火山島で、この2つの島は約700kmも離れています。

 しかも、その間にサントメ・プリンシペが領有する島々があり、アンノボン島は赤道を越えた南半球の飛び地のように見えます。

 国名は赤道に近いことにちなみますが、実際にはこの国の領域を赤道は通っていません。西アフリカにあるギニア共和国と区別するための命名です。

 ビオコ島沖合では、1990年代から原油や天然ガスが生産されるようになり、その輸出が輸出総額の8割以上を占め、国の経済を支えています。ビオコ島はアフリカにおけるカカオ栽培発祥の地ですが、生産はあまり多くはありません。

 1979年から国家元首を務めるオビアン・ンゲマ大統領に権力が集中し、長期政権による政治の腐敗が問題となっています。

赤道ギニア共和国

面積:2.8万km2 首都:マラボ
人口:85.7万 通貨:CFAフラン
言語:スペイン語(公用語)、フランス語(公用語)、ポルトガル語(公用語)
宗教:キリスト教88%
隣接:カメルーン、ガボン

(注)『2022 データブックオブ・ザ・ワールド』(二宮書店)、CIA The World Factbook(2022年2月時点)を参照

(本稿は、『読むだけで世界地図が頭に入る本』から抜粋・編集したものです。)