ニュースで見聞きした国、W杯やオリンピックの出場国、ガイドブックで目にとまった国――名前だけは知っていても「どんな国なのか?」とイメージすることは意外と難しい。『読むだけで世界地図が頭に入る本』(井田仁康・編著)は、世界地図を約30の地域に分け、地図を眺めながら世界212の国と地域を俯瞰する。各地域の特徴や国どうしの関係をコンパクトに学べて、大人なら知っておきたい世界の重要問題をスッキリ理解することができる画期的な1冊だ。この連載では、本書から一部を抜粋しながら、毎日1ヵ国ずつ世界の国を紹介する。
ガーナってどんな国?
ガーナはアフリカ大陸西部に位置し、ギニア湾に面する国です。コートジボワール、ブルキナファソ、トーゴと国境を接します。
本初子午線(経度0度)に沿うようにヴォルタ川流域に低地が広がります。1965年、川をせき止め、水力発電用のアコソンボダムが造られました。この人造湖は世界最大級の規模です。
カカオ豆と金が豊富
北アフリカと中南アフリカとの交易が盛んで、8~11世紀にはガーナ王国が栄えました。また、17世紀には奴隷貿易で力を得たアシャンティ王国が栄えました。その首都クマシは、カカオなどの集散地として発展し、この国第2の都市となりました。海岸はゴールド・コーストと呼ばれ、金と奴隷が持ち去られました。
1957年、中南アフリカのほかの国々に先駆けて独立を果たしました。初代大統領はンクルマ。議会制民主主義が採られています。主産業はカカオ豆生産などの農業と、金、そして2007年に沖合に発見された原油の産出です。石油収入などによって経済成長が進み、世界銀行は中所得国と分類しています。
野口英世が没した国
野口英世は首都アクラで黄熱病の研究を進め、その研究中に、この地で没しました。彼が勤めた病院の研究室は当時のまま保存され、その功績をたたえた野口メモリアルガーデンがあります。また、ガーナ大学内に野口記念医学研究所が置かれています。
毎年、ガーナよさこい祭りが開かれるなど、日本への関心が高い国です。
ガーナ共和国
面積:23.9万km2 首都:アクラ
人口:3237.3万 通貨:ガーナセディ
言語:英語(公用語)、アサンテ語などの民族語
宗教:キリスト教71.3%、イスラーム19.9%
隣接:コートジボワール、ブルキナファソ、トーゴ
(注)『2022 データブックオブ・ザ・ワールド』(二宮書店)、CIA The World Factbook(2022年2月時点)を参照
(本稿は、『読むだけで世界地図が頭に入る本』から抜粋・編集したものです。)