ケビン・マッカーシー氏は下院議長選の勝利に向けて共和党の議員を結集させるのに苦戦している。その背景にあるのは党の内部に広がっている対立だ。連邦議会選挙と大統領選で3回にわたり期待外れの結果に終わったことを受け、共和党の態勢を立て直すためにどういうタイプのリーダーが最適なのかを巡り意見が割れている。
ドナルド・トランプ前大統領の政治スタイルが選挙での敗北の原因なのか、それとも将来の勝利に向けたカギとなるのかという点で、連邦レベルでも州レベルでも共和党指導部の見解が分かれている。そのため、共和党全国委員会(RNC)委員長と複数の激戦州の共和党委員会のトップに誰を据えるかで意見が対立している。一部の地域では、トランプ流をより主張の強い形にした政治を目指す候補者がトップ争いに参入しつつある。
ミシガン州では現在、2020年の大統領選の結果に異議を唱えた2人の幹部が州の党委員長の最有力候補となっている。両者は昨年の州司法長官と州務長官の選挙で、大差で敗れているにもかかわらずだ。アリゾナ州では、トランプ氏と連携するケリ・ウォード党委員長が今月で任期満了を迎え、退任が予想されている。このため、共和党が昨年の上院、州知事、州司法長官、州務長官選挙でいずれも敗北したのを受けて、同党がポピュリスト的な方針を維持すべきか、あるいはより伝統的な立場に戻るべきかについて議論が始まっている。