アマゾン・ジャシー氏Photo:Bloomberg/gettyimages

 ――投資家向けコラム「ハード・オン・ザ・ストリート」

 ***

 米アマゾン・ドット・コムのトップとしてのアンディ・ジャシー氏の1年目は書籍化に値する内容だが、良い意味でではない。

 アマゾンは配送能力の大幅増強をちょうど消化しようとしていた折、不運にもマクロ経済の鈍化に見舞われた。今月発表する2022年決算は増収率が初めて1桁台にとどまり、営業利益率は前年の半分未満に落ち込む見通しだ。

 ウォール街は寛容な目を向けていない。22年の同社株は50%下落と、ITバブル崩壊後で最も値下がりした。フェイスブックを傘下に擁するメタ・プラットフォームズを除いたテクノロジー大手他社より、はるかに大幅な値下がりだ。アマゾンの時価総額は21年7月に株価がピークをつけて以来、1兆ドル(約133兆円)余り吹き飛んだ。