米国の新規株式公開(IPO)市場が急減速したことで、カーブアウトと呼ばれる事業切り離しを選択する企業が増えている。調査会社ディールロジックによると、2022年に米国で実施されたIPOの総調達額は、少なくともここ20年で最も低い水準だった。規模が最も大きかった案件のうち3件はカーブアウトによるもので、親会社からの分離後、スピンオフ(分離・独立)でよく見られる株式分配ではなく、従来型のIPOが実施された。この傾向は23年に入っても続いているようだ。米製薬・日用品大手ジョンソン・エンド・ジョンソン(JJ)のコンシューマーヘルス部門ケンビューは最近、IPOに必要な書類を規制当局に提出した。目標評価額は明記されていないものの、関係者によると、調達額は50億ドル(約6600億円)を上回る可能性がある。