世界経済フォーラム(WEF)が11日公表した年次報告書によると、政策立案者や産業界のリーダー、リスク分野の専門家らは、高インフレやエネルギー・食料品価格に対する上昇圧力が継続し、こうした「生活費の危機」が2025年には世界の安定に対するリスクで最も深刻なものになると予測している。報告書は1200人を超える専門家らを対象とした調査に基づいており、WEFが来週開催する年次総会(ダボス会議)に先立ち公表された。貿易戦争や地政学的対立、核戦争の脅威といった旧来のリスクに加え、低成長やグローバル化の後退といった比較的新しいリスクにも焦点を当てた。短期的に特に深刻なリスクとしては、インフレ高進や食料供給不足を背景とした生活費の危機のほか、ロシアから欧州へのエネルギー供給急減に伴うエネルギー危機などが挙げられた。新型コロナウイルス流行の脅威は薄らいだとみられ、2年後と10年後のリスクのトップ10から外れた。