麻生太郎氏また失言「出産女性の高齢化で少子化」、子育て世代に責任転嫁の絶望Photo:Kiyoshi Ota/gettyimages

また自民党議員が少子化について、失言した。1月15日に少子化の最大の要因を「女性の年齢が高齢化しているから」と説明して「体力的な問題があるのかもしれない」と分析して見せたのは82歳の麻生太郎氏。彼らはなぜ、子育て世代の経済的不安から目をそらし続けるのだろうか。(フリーライター 鎌田和歌)

全て女性のせい?
何度たたかれてもやめない失言

「(少子化の)一番大きな理由は出産するときの女性の年齢が高齢化しているからです」

「(複数の子どもを出産するには)体力的な問題があるかもしれない」

 1月15日に報道されたのはこんな発言。

 自民党の麻生太郎副総裁が、福岡県で講演した際に出た発言だという。これが報道されると、たちまちSNS上では批判の声が相次いだ。

 麻生氏の発言は、政治家の責任を国民に押し付けているかのように聞こえるだけではなく、停滞する日本経済の中で明るい展望を描きづらい若者や子育て世代の不安をまったく斟酌(しんしゃく)していないように見える。

 女性自身の記事「麻生副総裁『少子化最大の要因は女性の晩婚化』発言に女性からブーイングの嵐」では、内閣府の令和4年版「少子化社会対策白書」が引かれ、「夫婦が理想の子供の数を持てない理由として『子育てや教育にお金がかかりすぎるから』が56.3%で最多となっている」ことを指摘。さらに2020年「少子化関連指標の国際比較」で、日本人の平均初婚年齢(29.4歳)は、OECD加盟国の中でも出生率の高いスウェーデン(平均初婚年齢34歳)やフランス(同32.8歳)よりもむしろ低いことが指摘されている。

 週刊誌にあっという間に論破されても、特に高齢の政治家たちはこのような失言をやめようとしない。