年明けから市場の快走が続いている。陰で支えているのは、インフレが近く一世代に一度とも言える劇的な低下を遂げるとの思惑だ。市場ベースのインフレ期待は、向こう数カ月にインフレが前年比で急低下するとの見方を織り込んでいる。これは2008年の世界的な金融危機や、ポール・ボルカー元米連邦準備制度理事会(FRB)議長が2桁の利上げで1970年代後半のインフレ高進を抑え込んだ時期にほぼ匹敵する低下ペースだ。インフレが早期に目標の2%に回帰するとの期待は、今年FRBが利上げを打ち止めにし、利下げに転じることさえ見込んだ取引を促している。昨年利上げで大きな打撃を受けた株・債券は、1月に入りダブル高を演じている。買いは、昨年大きく売り込まれたよりリスクの高い資産にも波及。暗号資産(仮想通貨)ビットコインや、ハイテクグロース株に集中投資するアーク・イノベーション上場投資信託(ETF)などにもマネーが回帰している。
インフレ急低下期待、市場支える異例のシナリオ
物価上昇率が近く劇的に低下するとの思惑は現実的か
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