――投資家向けコラム「ハード・オン・ザ・ストリート」 ***  米連邦準備制度理事会(FRB)は、米国人の賃金上昇ペースがあまりに速いため、インフレ率を望ましい水準まで引き下げられないのではないかと警戒している。危惧されるのは、インフレ問題を解消する代わりに、国内労働者がこの数十年に失った経済のパイを取り戻すのを妨げかねないことだ。  最近では人件費の伸びが鈍りつつあるものの、FRBからすれば不十分だ。米労働省が先週発表した2022年10-12月期の雇用コスト指数(賃金・諸手当全体の動向を示す指数で、FRBが注視している)は前期比で1%上昇した。